一昔前の話題になりますが、不気味の谷現象とは人間によく似たロボットに対する人間の感情を説明する仮説であり、ロボット工学者の森政弘さんが初めて唱えたものが発端です。

人間は、ロボットが人間に似始めると好意的な反応を示すものの、あるポイントに達すると、その肯定的な感情が減少していくことを森氏は発見し、そのポイント(人間に近いと感じる点)が、不気味の谷へ落ちていく始まりの部分であるという。その後、ロボットの外観が人間と見分けがつかなくなると、ロボットに対する共感は再び高まっていくという現象です。

不気味の谷現象については、「その対象が人間とかけ離れている場合、人間的特徴の方が目立つため、人間は親近感を持ち好感を抱きやすいが、その対象が極めて人間に近い場合には、非人間的特徴の方が目立つため、人間に「奇妙」な感覚を抱かせるのではないか」と推測されています。

また人間に極めて近いロボットは、人間に病人や死体を連想させるため、警戒感や嫌悪感を抱くのではないかという意見もあるそうです。

例えば

●ファイナルファンタジー

「ファイナルファンタジー」は、2001年に公開されたスクウェア製作による世界初のフル3DCG映画で、この映画は興行的に大失敗しており、その後、「不気味の谷による、最初の犠牲者」として度々挙げられることになった。この映画に登場するキャラクターは全く汗をかかず、また目と唇が不自然な動きをしていることなどから、見る者に奇妙な違和感を与えているのではないかと考えられている。

●A.I.

「A.I.」は、2001年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督によるSF映画で、多くの人々がとても精巧に作られた新型ロボットに不安を感じている近未来の世界が描かれている。例えば「肉体祭り」と呼ばれる、ロボットの破壊競技を見て大喜びしている群衆が、次に引き裂かれる対象がリアルに作られた少年のロボットだと知ると、ロボットに対して急に同情心が芽生え、その場が静まり返るというシーンなどがある

●アイ,ロボット

「アイ,ロボット」は、2004年に公開されたウィル・スミス主演のSF映画で、この映画では、ロボットが人間のサポート役となって日常生活に溶け込んでいる世界が描かれており、登場するロボットは表情と外観がより一層、人間に近いものとなっている。主人公のデル・スプーナ刑事が、至近距離からロボットの顔面に銃を発砲して撃ち壊すシーンでは、彼がロボットではなく、あたかも人間を処刑しているような強い印象を見る者に与えている。

など、人間の深層心理(生理的に異様に感じる、嫌悪感を感じる)の部分で研究結果としてあります。

たしかに精密に描かれたCG映像やゲームキャラクターでも、現実とかけ離れたキャラクターなら不自然さが、現実ではないのだから自然に見えるのに、現実にかなり近いゲームキャラクターだと、ゲーム的な動きに違和感を感じることもありました。

しかし、現在のCGはそれをはるかに超越した、まるで生身の人物に思えてしまうくらいの自然なクオリティーに仕上がっています。

これからは生身のアイドルだけではなく、ネットのみに存在するアイドルも当たり前のようにビジネスとして組み込まれて、VRの世界が自分の居場所となっていく日も近いんだなと思う今日このごろです。

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